朝起きると、ズボンが上がっている理由
ノビーゼ® パジャマ研究員の みわ です。
前回はパジャマ屋IZUMMがなぜパジャマのウエストゴムにこだわるのかについてお話ししました。
寝返りや身体の動きとパジャマの関係を見てきたこのシリーズ。今回は、「寝返りでズボンの裾がずり上がる問題」について考えてみたいと思います。
こんな経験はありませんか?
・朝起きるとズボンの裾が膝近くまで上がっている
・布団の中でパンツがねじれている
・足首が出て冷えている
実際にお客さまからも、
「寝ているとパンツがずり上がる」
「布団の中で裾がめくれる」
「ズボンの裾にゴムが入っているものはないの?」
という声をいただくことがあります。
寝ている間に裾がずり上がるのは、サイズや寝相の問題と思われることもありますが、実は寝返りとパンツの形が大きく関係しています。

なぜ裾はずり上がるのか
前回までの記事では、
・人はどこを動かして寝返りしているのか
・寝返りのとき、なぜつっぱるのか
についてお話しました。
私たちが寝返りするとき、上半身の肩まわりや背中だけでなく、股関節や太もも、膝などの下半身も当然大きく動いています。
つまり、身体の動きに追従して、ズボンも一晩中動き続けなければならないのです。
しかし、ズボンの布地は、外側が布団やシーツに触れています。
すると、「身体は動く」のに「ズボンは摩擦で残ろうとする」という状態になります。
この動きが繰り返されることで、生地が少しずつ上へ移動し、裾がずり上がったり、ねじれたりするのです。
なぜ裾がずり上がると気になるのか
この経験、私だけではないと思うのですが……。
夜、さて寝るぞと、お布団に入った時点で、すでに裾が膝近くまで上がっていることがあります。
掛け布団を大きく持ち上げず、ズリズリと滑り込むようにしてお布団に入るからです。
裾がずり上がって膝まわりに生地がたまると、これが妙に気になり、寝たまま足先で裾を引き下げようとします。
でも、なかなか戻らない。
イライラして、結局、一度起き上がって手で直すこともよくあります。
眠ろうとしているときの小さな違和感は、意外と無視できないものです。

寝返りしやすさと、寝返り後の快適さは別の話
寝返りは快眠のために必要な動きです。
だから私たちが目指したいのは、寝返りを減らすことではなく、寝返りしても快適な状態を保てること。
寝返りしたときに起こる不快なことといえば、以下のようなことがあります。
・裾が上がる
・生地が膝まわりにたまる
・足首が出る
・生地が絡む
もちろん、これらがまったく気にならない方もいます。
一方で、私のように膝まわりの生地が気になって裾を直したくなったり、足首が出て冷えを感じたりする方もいます。
同じ状態でも、心地よさの感じ方には個人差があるのです。
睡眠の質は、ひとつの大きな要因だけで決まるものではありません。
寝具や室温、体調、ストレスなど、さまざまな要素が関係しています。
だから私たちは、単純に「この形なら睡眠の質が上がる」と考えているわけではありません。
ただ、眠る前や睡眠中の小さな違和感を減らすことは、快適な眠りにつながるひとつの要素になるのではないかと思うのです。
快眠に導くパンツの形、正解はある?
パジャマのパンツの形には、大きく分けて2種類あります。
裾がストンとまっすぐ落ちる<ストレートタイプ>と、裾に向かって細くなる<スマートタイプ>です。
<ストレートタイプ>
・開放感がある
・風が通りやすい
・ゆったりしている
<スマートタイプ>
・裾がずり上がりにくい
・足首が覆われやすい
・生地が絡みにくい
快眠のためには、どちらが正解ということではありません。
眠りの好みによって心地よさは変わります。
脚にぴったりするようなものが窮屈に感じる方は、ゆったりして開放感のある<ストレートタイプ>のほうがリラックスできるかもしれません。
逆に、ぴったり脚に沿うほうが安心できて、足首が出て冷えるのは嫌だという方は、<スマートタイプ>のほうがおすすめです。

年齢とともに変わった、パンツに求めること
私は暑がりなので、どちらかというと<ストレートパンツ>の開放感が好きです。
ところが40歳を過ぎてから、朝方にふくらはぎがつる、いわゆる「こむらがえり」が起こることが増えました。
私の場合、寝ている間にふくらはぎが出て冷えていたことも一因なのではないかと思っています。
体が冷えると、体温を逃がさないために末梢血管がギューッと収縮します。血管が狭くなると足への血流が悪化。血液が十分に届かないと、筋肉を動かすための酸素や栄養、ミネラル(電解質)がふくらはぎに行き渡らなくなります。その結果、足がつりやすくなることがあるのです。
母がよく夜中に足がつると言っていたのが30代までわからなかった私。
40代に入り、加齢で筋肉量や「水分・ミネラル」保持力が減ってきて、「裾が上がりにくいパンツを好む人がいる理由」が、実感を伴ってわかるようになりました。

寝返りには、太ももやお尻まわりのゆとりも必要
さて、寝返りで裾がずり上がらないようにするためには、パンツを細くしたり、裾にゴムを入れればいいのでは? と思われるかもしれません。
ところが、話はそう単純ではないのです。
快眠に大事な寝返り。寝返りのあとの快適さを保つには、裾が上がりにくければ良いわけではありません。
先にも述べたように、寝返りのとき大きく動くのは、
・股関節
・お尻まわり
・太ももまわり
・膝
です。
もしこの部分にゆとりが少ないと、つっぱったり、動きにくさを感じたり、窮屈だったりします。
だから寝返りを考えるなら、太ももやお尻まわりには十分なゆとりが必要です。
私たちが考えたひとつの答え
そこで生まれたのが「スマートルームパンツ」です。
目指したのは、「ゆったり感」と「裾の安定感(めくり上がらない)」の両立。
股関節が動きやすいよう、お尻や太ももまわりにはゆとりを持たせた設計。
一方で、裾はめくり上がりにくいよう、膝下から足首に向かって少しずつ細くしています。
寝返りのためのゆとりを確保しながら、裾のずり上がりや生地の絡まりを軽減することを目指しました。

実際のモニターではこんな声がありました
2025年10月〜12月の3ヶ月間、寝つきや熟睡感など睡眠に悩みのある方5名に、スマートルームパンツ仕様のノビーゼ® “UNO” 長袖パジャマを着用していただきました。
モニター後のアンケートでは以下のような感想をいただいています。
・「裾がめくれる事がなく、冬でもちゃんと足首がおおわれて暖かかった」
・「めくれる事が無いのが本当に心地よい」
・「寝ている間にめくり上がることがなかった」
私たちが考えていた「足首まで自然に覆われている安心感」を実際に感じた方がいたことは印象的でした。
そして2026年、定番パジャマも見直しました
「スマートルームパンツ」は、もともと単品パンツとして販売していた形です。
その後、お客さまの声やモニター結果、そして私たち自身の実感を重ねる中で、
「寝返りに必要なゆとりを確保しながら、裾のずり上がりにも配慮できる形として、定番モデルにふさわしいのではないか」
と考えるようになりました。
そこで2026年4月、ノビーゼ® “UNO” 長袖パジャマのパンツを、スタンダードタイプ(ストレートタイプ)から「スマートルームパンツ」へ変更しました。

寝返りの先まで考えるパジャマ
寝返りは快眠のために必要な動きです。
私たちは、寝返りしやすいことだけでなく、寝返りした後も快適であることを大切にしたいと考えています。
快適なパジャマは、着ていることを忘れます。
つっぱりも気にならない。
ウエストも気にならない。
裾のずり上がりも気にならない。
だから、快適であればあるほど意識されない。
一つひとつは小さな違いかもしれません。
けれど私たちは、その小さな違いの積み重ねこそがパジャマの価値だと考えています。
次回からは、そんな「パジャマそのものの価値」について、もう少し掘り下げていきたいと思います。
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前回記事
お腹まわりは敏感 – パジャマ屋がウエストゴムにこだわる理由|ノビーゼ® パジャマ研究室





