こんにちは。

ノビーゼ® パジャマ研究員のりりかです。

 

前回は、「良いパジャマは、体が回復しようとするのを邪魔しない」というテーマでお話ししました。

私たちは、身体が本来持つ回復の力を邪魔しないために、

 

・動きを邪魔しないこと

・蒸れにくいこと

・肌に心地よいこと

 

を大切にしています。

 

今回は、その快適さを支える「布量」についてお話ししたいと思います。

私たちは、良いパジャマほど必要な布を惜しまないと考えています。

一見すると見えない部分ですが、その違いは着心地に大きく関わっています。

良いパジャマの価値は見た目では分からない

パジャマを選ぶとき、多くの方は素材やデザイン、色を比べます。

一方で、「どれくらい布が使われているか」を気にする方はほとんどいません。

 

しかし実際には、同じMサイズでも、同じLサイズでも、着心地には大きな差があります。

その違いを生む要素のひとつが、「布量」です。

要尺

服づくりには「要尺」という考え方がある

服づくりの世界には、「要尺(ようじゃく)」という言葉があります。

要尺とは、1着の服を仕立てるために必要な生地の量のことです。

 

当然ながら、要尺が多くなれば使う生地も増え、作り手にとってはコスト計算にも関わります。

つまり、同じ素材で作った服でも、要尺によって原価は変わるのです。

 

要尺は、普段服を選ぶときにはあまり意識しない考え方かもしれません。

私は商品企画の打ち合わせで初めてこの話を聞いたとき、「そんなところまで計算しているのか」と驚きました。

 

話を聞いていくと、パジャマ屋IZUMMでは、眠っている間の寝返りや、着用時の安心感を大切にしているからこそ、必要な場所にはしっかりと布量を確保していることを知りました。

 

例えば、寝返りでよく動く肩まわりは「袖付(そでつけ)まわり」にゆとりを持たせ、背中の動きを妨げないように身幅にも余裕を持たせています。

また、”UNO” パジャマのリニューアルでは、眠っている間に手首や足首が出にくいよう、袖丈やパンツ丈も見直しました。さらに、股上も深めに設計することで、眠っている間も安心して着られるよう工夫しています。

「お尻まわり」のゆとり

着心地を左右する「お尻まわり」のゆとり

さらに、要尺について熊坂会長に詳しく教えていただき、特に印象に残ったのが「お尻まわり」のお話でした。

人は眠っている間に何度も寝返りを打つため、パジャマのお尻まわりに適度なゆとりがあることは、快適な着心地につながる大切な要素なのだそうです。

 

私自身、この話を聞くまでは「着心地の良さは素材で決まるもの」と思っていました。

でも、実際に商品づくりの考え方を知ってから着てみると、肩やお尻がつっぱりにくく、身体が自然に動かせる心地よさは、こうした設計の積み重ねから生まれているのだと感じました。

快適さとコスト、そのバランスをどう考えるか

熊坂会長によると、特にお尻まわりにゆとりを持たせようとすると、型紙が大きくなり、必要な生地も増えていくそうです。つまり、要尺が増えるほど、生地代という製品原価の大きな部分も増えていくことになります。

 

服を作るときは、1枚の大きな布の上に型紙を並べ、何着分取れるかを計算します。

まるでパズルのような作業です。

少しでも多く裁断できれば、その分コストを抑えることができます。

 

例えば、

・肩まわりのゆとりを減らす

・背中のゆとりを減らす

・股上を浅くする

・お尻まわりを細めに設計する

 

それだけでも、1枚の生地から作れる枚数が変わることがあります。

 

もちろん、企業努力としてコストを抑えること自体は悪いことではありません。

 

ただ私たちは、眠るためのパジャマだからこそ、寝返りや身体の動きを妨げないために必要なゆとりは削らないという考えを大切にしています。

布を惜しまない

私たちが布を惜しまない理由

私たちが大切にしているのは、見た目のすっきり感ではなく、眠っている間の快適さです。

 

眠っている間の身体は、寝返りを打ち、汗をかき、体温を調整しています。

そうした自然な動きを邪魔しないためには、適度なゆとりが必要です。

 

「ゆったりしている」というと、大きすぎる服を想像する方もいるかもしれません。

しかし私たちが考えるゆとりは、余分な大きさではありません。

 

・腕を動かす

・寝返りを打つ

・膝を曲げる

 

そうした眠っている間の動きを受け止めるための、必要な余白です。

だから私たちは、必要な場所の布量を削らないことを大切にしています。

必要以上に布を増やすのではなく、眠る人の動きを考えて、必要な場所に必要な布量を持たせる。それが私たちの考える、快適なパジャマづくりです。

同じサイズでも着心地が違うのはなぜ?

実際、同じLサイズでも、窮屈に感じる服と、ゆったり感じる服があります。

サイズ表だけでは分からない違いです。

 

それは、どこにどれだけ布を使うかという設計の考え方が違うからです。

例えば、肩まわりや背中、ひざを曲げる部分など、人が眠っている間によく動く場所には、特にゆとりが必要です。

 

ただ大きく作るのではなく、必要な場所に必要な布量を持たせること。

その積み重ねが、数字には表れない着心地の差につながっています。

見えない布量が着心地になる

見えない布量が着心地になる

パジャマは、誰かに見せるための服ではありません。

だからこそ、見た目だけでは分からない快適さを大切にしたい。

私たちはそう考えています。

 

パジャマの布量は、目立たない工夫です。

けれど、その小さな差が、ゆとりになり、動きやすさになり、快適さにつながっていきます。

 

私たちは、原価を抑えることを優先して着心地を犠牲にするのではなく、眠る人の快適さを第一に考えたものづくりを大切にしています。

必要な場所に必要なだけ布を使うこと。それが、パジャマ屋IZUMMの考え方です。

 

次回は、パジャマの「縫製」について。

なぜ私たちは、表からは見えない縫い目にまでこだわるのか。

肌に触れるパジャマだからこそ大切にしたい、「袋縫い」の価値について考えてみたいと思います。

 

 

 

 

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前回記事

https://www.pajamaya.com/motto/nerumaga/column/13669/

 

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