もう少し土の中   ~ 啓蟄 ~

2021.03.15

もう少し土の中   ~ 啓蟄 ~

庭仕事をしていて、気づくと、地面にぽつぽつと穴が。雑草の芽と一緒に見えるような、小さな穴ですが、なんでしょう…。少し離れて、見ていると、雀たちが寄ってきて、その穴をつついていました。自然は厳しい。

 

春浅く、まだまだ油断ならない冷たい空気がひたひたと地面を這い、でも、その下では虫や動物、植物さえも、そろそろと目を覚まし、準備運動を始めているようです。

 

二十四節気は啓蟄。蟄は土の中で冬を過ごす虫を表し、啓は「開く」の意味です。

 

七十二候は蟄虫啓戸(すごもりの虫戸をひらく)、桃始笑(桃はじめてさく)、菜虫化蝶(菜虫蝶となる)と、続きます。虫は動き出し、花が咲き、蝶が舞う。いよいよ、春です。「笑」という字が花咲く意味をも持つことが、とても軽やかで、特に桃の花は開くときに音がするそうで、桃の花達のおしゃべりが聞こえてきます。

 

とはいえ、この時期、移動性高気圧と低気圧の影響で、昨日と今日、朝と夜でも温度差が激しくなります。三寒四温という言葉は、もともと中国のことわざに由来しますが、日本に伝わり、この時期の天気と気温の変化を表すものとして使われるようになりました。

三寒四温のような、季節の変わり目を表す言葉は外国語にもあります。英語では「Indian Summer」。でも、これは、春ではなく、秋から冬にかけての、暖かい日の表現で、ちょうど、日本の11月「小春日和」に似ています。また、メキシコには、「Febrero loco」という言葉があります。「2月バカ」という意味で、2月春先の激しい温度の変化を指します。で、3月は平気なの?大丈夫、「Marzo otro poco」、「3月も一度バカ」へ続きます。メキシコっぽい。

 

きっと、いろいろな言語でそんな言葉が存在するのでしょう。地を隔てて、言語は違っても、自然に対しての思いは同じようで、それぞれの言語に季節の変化で人が感じる空気感を表す言葉があることは面白いですね。

 

まさに、三寒四温の頃、温度差や天気の変化で身体は思いのほか疲れているものです。きちんと食事をすることはもちろんですが、お休み時間はいかがお過ごしですか?どうせ寝ちゃうから、と、軽く考えないでください。

 

薬膳の基礎として、子の刻(23時~午前1時)には担、丑の刻(1時~3時)には肝、寅の刻(3時~5時)には肺、卯の刻(5時~7時)には大腸がそれぞれ活発に動く時間とされています。この時間帯に良い眠りをとることが、深い呼吸と胆嚢や肝臓の円滑な働きで、血液はきれいになり、第二の心臓ともいわれる大腸の動きが活発になることで、免疫力が高まります。ね、大切です。

 

ただ、この季節、寒いような温かいような、夜間でも気温の変化があり、寝具に気を使います。私は、布団を軽めにして、パジャマ屋のIZUMMフリースルームワンピース(※1)を寝巻として愛用しています。気持ち良い肌触りで、フリースなのに静電気も起きず、寝る準備をする時間から、寝るのが楽しみになる感じです。特に好きなのは布団を干して、シーツを洗った夜。陽の匂いが残る布団とパリッとシーツの間に、ふわふわフリース寝巻で潜り込む瞬間の心地よさは…、すぐ眠りに落ちてしまうので、説明できないほどの気持ち良さです。ぜひ、お試しください。

 

きっと、もう少ししたら、ぱきっと、ひんやりとしたパジャマがうれしい季節になるのでしょう。でも、暖かい土の中のような布団から完全に出て、蝶々のように舞えるまで、もう少し、このフリースルームワンピースに甘えたいと思います。

 

※1 まだ温もりを感じたい季節の変わり目におすすめのアイテム

パジャマ屋IZUMMフリースワンピース

 

染谷雅子

 

ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子
ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com

作品:チューリップのペンダント

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