星降る夜の気づきごと  ~ 大寒 ~

2022.01.24

星降る夜の気づきごと  ~ 大寒 ~

いよいよ冬本番。一年で最も寒い時期となります。昨年春から辿ってきた二十四節気は最後の節気、大寒(たいかん1月20日頃)を迎えました。七十二候は款冬華(ふきのはなさく1月20日~24日頃)、水沢腹堅(さわみずこおりつめる1月25日~29日)、鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく1月30日~2月3日頃)と続きます。寒さに凍えた空気の中、雪の間からはふきのとうの花が咲くころとなりますが、最も低い温度を記録することもあるこの時期は、普段流れる沢の水さえみっしりと氷ついてしまいます。とはいえ、わずかな日の温もりから春の訪れを感じている鶏たちは卵を産み始めます。本来、自然の鶏は春先に産卵期を迎えるのです。そう、春はそこまで来ています。冬の最も寒い時は、暖かい春の始まり、ということなのです。

“おなかあったかシルクウールの腹巻レギンス”

この時期、寒さで弱った臓器はエネルギー不足になりやすくなります。体を温めて、栄養のあるものを食べ、エネルギーを蓄えやすい身体を作りましょう。お勧めは腹巻き。腹巻きとカイロでお腹を温めます。これは血行が良くなることで、体中が温まり、お腹の調子も良くなり、効果的です。食材のお勧めは、エネルギー生成を促すビタミンB1が豊富な羊肉。野菜たっぷりのラム肉しゃぶしゃぶで、体がぽかぽか温まったことがあり、それ以来、寒い夜にはラムしゃぶ、と決めています。

きちんと食べて、体を動かして、良い眠りを摂ることで、エネルギーを蓄えて、それを上手に動かせるようになります。寒い時期を元気にやり過ごし、春の訪れを心身共に健康に迎えられるのです。

自然の営みの雄大さと偉大さ

この一年、二十四節気と七十二候を過ごしてきました。改めて、自然の営みの雄大さと偉大さ、そして、その自然に、時に寄り添い、時に抗い、喜びを見出しながら暮らし続ける人間の知恵や感覚を再認識することができました。

揺るがない自然の規則の中で、人間はほんの小さな存在で、その自然の規則の一片でしかないことは解っていますが、その一片の生命体でも、生きている間は幸せに健康に過ごしたいものです。自然の規則を尊重し、自分も含めた自然に耳を傾け、小さなことも聞き逃さないで、その自然の声に身をゆだね、自身も取り巻く環境も美しくいられたら、どんなに豊かな日々を過ごせるでしょう?このエッセイを通し、常にそんなことを思いながら過ごしていました。

 

更に、自分の過去をも顧みることができました。季節の節目にいろいろな行事を家族のために工夫して用意してくれて、季節の移り変わりを感じる力を与えてくれた両親に改めて感謝をしました。自分の中の自然を思う気持ちは、これからも持ち続けてゆきたいと思います。そんな心持ちになった、二十四節気七十二候一回りでした。

今年も、春を迎えようとしています。私たちを取り巻く自然環境は楽観的なことばかりではありませんが、私たちが今過ごしているこの日々は、歴史として長く続いていて、過去から学ぶことはたくさんあるはずです。食事や運動、眠りの習慣を少しだけでも見直せたら、もっと自然に添える楽な生活ができるでしょう。「見直す」という行為は、直すことが終着点ではなく、直すべき新しい気付きがあり、そこから新しいことが始まる、ということ。これからも、五感を澄まして、気付く力を養いたいと思います。

食べて、動いて、眠る、という、この生き物の規則がすべての基

季節を廻ってわかったことは、食べて、動いて、眠る、という、この生き物の規則がすべての基本ということ。新しい春からは、この私たちの生活に最も近い日々の営みに目を向けて、季節とともに過ごしてゆきたいと思います。引き続き、お付き合いをよろしくお願いいたします。

一年で一番寒い頃ではありますが、夜の冬空は美しく、凍えた空気の中で星々は煌めきます。大きな自然の営みの中、小さな自然は夜な夜な様々な事象に立ち向かい、悩み、思い、それぞれできうる限り幸いに生命を維持しています。

皆様、体も心も温かく、ゆったりとした夜をお過ごしください。そして、今夜もぐっすりお休みください。

 

染谷雅子

 

 

 

 

ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子
ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com

染谷雅子のガラス作品 帯留め 「星見夜」

 

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