「カップルや夫婦なら、一緒に寝るのが当たり前」。
そんな風に思っていないでしょうか。
もちろん、私も何の疑いもなく、これまでずっとそう思って生きてきました。
ある「出来事」が起こるまでは…。
「一緒に寝ること」が、必ずしも2人の距離を近づけるとは限らない。
私にはそんな持論があります。
今日のコラムでは、そんなお話を詳しくお届けしたいと思います。
というのも、私自身が、“寝不足”によって1つの恋を終えた経験があるからです。
離婚後の出会い。新しい恋に踏み出した私
離婚してしばらく経って、ようやく「また誰かと向き合いたい」と思えるようになった頃。
私は、勇気を出してマッチングアプリを始めて、新しいパートナーと出会いました。
▼マッチングアプリ体験記はこちら
https://www.pajamaya.com/motto/nerumaga/column/10063/
話していると楽しいパートナーで、週末に会うのが毎回楽しみでした。
たった数ヶ月の交際期間でも、次のステップへ進むことも頭に浮かび始めた――
そんな矢先、私の中に「違和感」がジワジワと積み重なっていったのです。
「また眠れなかった…」と言うパートナー
彼は会うたびに、「最近、あまりよく眠れないんだよね」と言っていました。
寝つきが悪く、途中で何度も目が覚めてしまう。
ぐっすり眠れた感じがしないまま、朝を迎える。
かといって、翌日ぐっすり眠れるわけでもない。
最初は「仕事が忙しいのかな」と思っていましたが、週末の午前中も元気じゃない。
彼がようやくエネルギッシュになってくるのは、土曜の夕方辺りからと相場が決まっていました。
まるで夜行性のような生活リズムで、私とはどこかズレているかもと薄々感じていたのです。
イライラ、無気力、すれ違い。睡眠不足の“副作用”
ある時から、彼がちょっとしたことでイライラしたり、気分が不安定になったりすることが増えてきました。
でも当時の私は、「あ、今日は機嫌が悪いんだな」くらいにしか思っていなくて。
今思えば、あれは完全に“睡眠不足が引き起こす情緒の揺れ”だったのだと感じています。
睡眠科学の第一人者、マシュー・ウォーカー博士はこう語っています。
「睡眠不足のカップルは、身体的にも精神的にも親密になれない」
なんだか少し大げさに聞こえるかもしれませんが、実感としてはまさにその通りでした。
“一緒に眠る”ことで、むしろ壊れていく関係
週末は彼といっしょに過ごすことも多くなっていました。
でも、1人でもまともに眠れていない彼が、私と一緒に寝てぐっすり休めるはずもなく…。
ベッドで何度も寝返りを打ったり、アイマスクをつけ始めたり。
私がエアコンをつけると、「エアコンの音がうるさくて寝られないから止めてほしい」と言われることもありました。
寝る場所を分けようと私から提案すると、「せっかくの週末だし、一緒にいたい」と言う彼。
私は私で、眠りが浅くなってしまい、なんとなく疲れた朝を迎える。
一緒に飲み歩くのは楽しかったですが、…本音を言えば、ちょっと寂しかったですね。
「せっかくの週末だから早めに動き出そう!」と決めても、彼は眠そうで動き出せない。
ただ一緒に過ごしているだけなのに、だんだんと心の距離も感じるようになっていました。
努力はした。彼にも伝えた。だけど…
私は彼に、耳栓などの睡眠グッズをプレゼントしたり、軽い運動を勧めたりもしました。
夜中の飲み歩きも睡眠に良い影響はないので、控えてみては?と伝えたこともあります。
でも、彼は変わりませんでした。
自分の体調や生活リズムに向き合おうとしないまま、疲れとイライラを繰り返す。
私は次第に、自分の心がさーっと引いていくのを感じていました。
“睡眠離婚”という選択肢。もっと早く知っていれば
マシュー・ウォーカー博士は、実際に1年付き合った恋人にこう伝えたそうです。
「睡眠離婚しましょう」。
これは、仲が悪くなったからではなく、お互いの“快眠”を守るための提案。
実際、カップル10組のうち1組が、睡眠に関する問題で別れているというデータもあります。
もし、当時の私がこの言葉を知っていたら。
「別々に寝ること」を、彼にこういったデータから伝えられていたら。
もしかすると、関係の形は少し変わっていたかもしれません。
そして私は、「別れ」を選んだ
最終的に、私は彼との別れを選びました。
眠れない毎日、機嫌の波、リズムのズレ。
それらを“我慢”で埋めようとしても、遅かれ早かれ、「限界」は来てしまいます。
彼を責める気持ちはありませんでしたし、一緒にいる時間や会話は、とても楽しくいい思い出となりました。
ただ、
「眠れていない人は、ちゃんと愛し合うことが難しい」。
それが、私が実体験を通して得た学びです…!
“一緒に寝る=仲良し”という常識に縛られなくていい
カップルや夫婦なら一緒に寝て当然。一緒に寝ないのは問題。
そういう思い込みって、けっこう根深いと思うんです。
でも、本当に大切なのは「ちゃんと眠ること」。
それができて、はじめてお互いを愛し合うことができるのではないでしょうか。
だから私は、これから先の誰かとは――
「いつも一緒に寝ているか」どうかではなく、“一緒に健やかでいられる関係”を築いていきたい。
今では、そう思っています。
あなたにとっての“眠れる愛”を、大切に
もしかすると今、あなたも「一緒に寝るのは、しんどい」と感じているかもしれません。
それは、あなたの心と体が出している大切なサインです。
仮に一緒に寝なかったとしても、愛を育てることはできると私は思っています。
ちゃんと眠ることは、自分を守ること。
そして、相手を大切にすることでもある。
どうか、あなたにとっての“眠れる愛”を大切にしてくださいね。