日が長くなり、太陽の力も少し強くなったように感じます。
春の柔らかさは後ろ姿になり、生命力の濃さが前面に出て、庭の草木も勢いを増していく・・・そう、夏を迎える準備が始まりました。二十四節気は立夏(りっか・5月5日)を迎えました。

田んぼに水が入りカエルが鳴く

七十二候では、田んぼに水が入り、カエルが鳴き始める頃、蛙始鳴(かわずはじめてなく・5月5日~10日頃)、土がゆるみ、ミミズが地表に現れ、地下の世界まで動き出す気配を感じる頃、蚯蚓出(みみずいずる・5月11日~15日頃)、竹林ではタケノコが地面を押し上げ、勢いよく伸びる頃、竹笋生(たけのこしょうず・5月16日~20日頃) と続きます。

自然界の生き物たちは早くもその気配を受け取り、大地から湧き上がる夏の訪れを受け入れるような、そんな候となります。

 

この時期、日中は初夏の陽気、夜は春の名残の冷え、と、この激しい温度差が自律神経に負担をかけます。
近年「気象病外来」を設ける医療機関も増え、気候の変化で体調が揺らぐことは、もう“気のせい”ではない と医学界でも認識されつつあります。立夏の頃は、気圧の激しい変化、大きな寒暖差、紫外線の急増と、気象病が起こりやすい条件が揃います。

血流を整える食材

呼吸法や運動、睡眠環境の見直しに加え、食事も大切です。
血流を整える食材として 新ショウガ・新タマネギ・ニンニク・青魚。
自律神経を整えるビタミンやミネラルを含む 豆類・雑穀・コマツナ。
紫外線などの疲労を回復する トマト・ブロッコリー・パプリカ・キウイ。
サラダや蒸し料理など簡単な調理法で、ゴールデンウィークの“食べ疲れ”も解消してください。

 

アマゾンの森で育まれた香木、クスノキ科の ローズウッド(Rosewood/学名 Aniba rosaeodora)。その木部を水蒸気蒸留法で抽出した精油は、バラのような甘さをほんのり含んだ木の香りを携え、強く主張せず、そっと寄り添うように香ります。
私にとってローズウッドの精油は、この時期だけでなく、どんな時にもそっと背中をさすってくれるような“お守り精油”なのです。

ローズウッド精油

19世紀後半から20世紀初頭、ヨーロッパの香水産業が急成長する中で、ローズウッドは高級香水の原料として大人気となりました。
日本へは明治~大正期、西洋香料文化の流入とともに輸入されるようになりました。
しかし20世紀後半、需要の急増により乱伐が進み、ローズウッドは絶滅危惧種に指定されました。現在は伐採に制限があり、輸出入も厳格に管理され、精油は手に入りにくくなっています。そんな環境下、日本の精油企業を含め、多くの団体による植林プロジェクトが進められています。

 

ローズウッドは主成分である リナロール(Linalool) の含有量が非常に高く(80~90%)、この純度がローズウッドの香りと作用を特別なものにしています。リナロールの鎮静作用はとても穏やかで、気圧の変動や季節の揺らぎ、緊張を優しくほどいてくれます。
またスキンケアにも使われるほど刺激が少なく、この季節の不安定な体調の均衡をとるためにも効果的です。

お風呂での芳香

使い方は、お風呂での芳香、ディフューザー、マッサージオイルなどさまざま。
注意事項として、お風呂には 2滴まで。フェイスケアの精油濃度は 0.5%、ボディケアは 1~3% が目安です。
精油1滴は約0.05mlとして、20mlの基材(キャリアオイル)に対し、フェイシャル用は精油2~3滴、ボディ用は4~12滴が適量です。

 

ローズウッドの代用として ホーリーフ(Ho Leaf/学名 Cinnamomum camphora var. linaloolifera) もおすすめです。
同じクスノキ科でリナロールの含有量が高く、香りも似ています。
ローズウッドより少し軽やかな印象です。

 

ローズウッドの精油を学んだその瞬間から、私はすっかり虜になりました。
どこへ出かける時も持ち歩きます。
海外旅行の時差ボケで眠れぬ夜、体調不良で不安な時、緊張で気持ちが塞ぐ時、入院中の空気の芳香など、あらゆる場面で助けてもらっています。香りを大きく一呼吸すると、それだけで、体の隅々に元気を届けてくれるよう。

森の中の大きな木

その香りは、バラ園にいるようであり、深い森の中でもあるようで、樹齢何百年の大木に抱きついた時のようでもあり、華やかでいて静謐、賢くおしゃべりだけれど、静かに見守ってくれる、そんな精油です。
季節によってはシトラス系やミント系とブレンドし、私のアロマセラピーライフを支えてくれています。特にゼラニウムとのブレンドは大好きで、私のアロマセラピーの記憶そのものなのです。

 

皆様はローズウッドの香りに何を思うでしょう。
そして、明日はどんな香りと出会えるでしょう。
どうぞぐっすりお休みください。

染谷雅子

 

 

ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子

ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com

作品名:「ステンドグラス チューリップ